2014/04/13

並行輸入の適法性「フレッドペリー」事件(最判平15・2・27)

並行輸入の適法性「フレッドペリー」事件(最判平15・2・27)

 商標権者以外の者が 、我が国における商標権の指定商品と同一の商品につき、その登録、商標と同一の商標を付したものを輸入する行為は、許諾を受けない限り、商標権を侵害する。
 しかし、そのような商品の輸入であっても、当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり、当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより、当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するものであって、我が国の・商標権者が直接的に又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価される場合には、いわゆる真正商品の並行輸入として、商標権侵害としての実質的違法性を欠くものと解するのが相当である。

 けだし、商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。」ものであるところ、上記各要件を満たすいわゆる、真正商品の並行輸入は、商標の機能である出所表示機能及び品質保証機能を害することがなく、商標の使用をする者の業務上の信用及び需要者の利益を損なわず、実質的に違法性がないということができるからである。


要件をまとめると
  1. 当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり、
  2. 当該外国における商標権者とわが国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより、当該商標がわが国の登録商標と同一の出所を表示するものであって、
  3. わが国の商標権者が直接的に又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、当該商品とわが国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価される場合。

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